AKAGI Rails

鉄道模型シミュレーターで遊んでいたはずが、気づいたらPythonなども。

Factorioに血が騒ぐ

Factorioというゲームは前から知っていましたがなかなかやらずにいました。

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ところがですね、やってみると意外にこれが面白い!そろそろ石油工場がオープンするあたりまで進んできました。

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工場(といっても、広大な大地に直接いろんな設備を置く)を作っていろいろなものを生産していくゲームです。燃料を採掘し、鉄鉱石を掘り、様々な加工・組立のプロセスを繰り返していきます。

ゲームをすすめていくと物流手段に「鉄道」が使えるようになるのもハマる要素の一つですが、 実は「経営工学」を専攻していたので、IE(インダストリアル・エンジニアリング)には一家言あるわけですワ~(ゲームをするのはヘタクソですが)。

各工程を担当させる加工機械をどのように配置するか、は工場内レイアウトを考えていることになります。そのためのIE的手法に、SLP (Systematic Layout Planning) というものがあります。

SLPをする上では工程(施設)どうしの関連性を調査する必要もありますが、そのためにはアローダイアグラムが使えます。アローダイアグラムは実際の工場の工程編成を決めるのにも使われていたはずです。

各工程では、「必要なものが 必要なときに 必要なだけ」届く必要があります。このくらいはJITとかカンバンとかいろいろな言葉で、社会的にも断片的に認知されているはずです。カンバン方式などプル型の生産システムではは、後工程から前工程に注文を伝播させていく形式で、下流工程が上流工程のことをあまり気にしなくてもよいように工夫されています。(が、各ポイントでのカンバンの枚数を決めるのはけっこう大変です)

しかしFactorioでは注文の概念が扱いづらい(回路部品というのを使えばできるかも、と思ったけど、できるのか?)ので、前工程から後工程にものを押し出していくプッシュ型の生産システムを構築するのが簡単そうです。ところが、製品Xと製品Yは共通の部品Pとか共通の原料Aを持っていたりなんかして、「何がどれだけ必要か」は上流にいくほど分かりにくくなります。これを勘定する手段にはBOM(部品展開表)というのがあります。どうやら欧州の自動車製造はBOMで回っているらしいです。

アローダイアグラムを使った分析手法のひとつにPERTがあります。本当は大量生産ではなくプロジェクトマネジメント(一回きりのものごと)の日程計画に使われるツールですが、計算をちょっと応用すると、加工機械の最適な設置台数の検討やボトルネック工程の予測がきくようになります。

ということで、BOM(もどき)とPERT(もどき)を組み合わせて、すてきな工場を作りたいなあと思っています。