Steamで颯爽と早期アクセスデビューを果たしたRUNNING TRAIN! ~走ル列車~ を購入したので簡単にレビューします。
RUNNING TRAIN! の概要
RUNNING TRAIN! は架空の鉄道路線を運転するシミュレーションゲームです。
最大の特徴は、レンダリングエンジンにUnreal Engineを採用した美麗な3DCGでしょう。

鉄道シミュレーションゲームのジャンルは昔から存在しますが、CG表現という点では、多くは他ジャンルのゲームに遅れを取りながら少しずつ進んできていました。 そんな中本作は、個人開発でありながら最新世代のゲームエンジンを採用し、グラフィック面でかなり強いインパクトを与えてくれます。
なぜUnreal Engine採用が最大の特徴になるのか
まず、Unreal Engineといってもピンとこない方もいるでしょうから、Unreal Engineのことから話します。
Unreal Engineは、近年かなりの実力を誇るゲームエンジンで、写実的なCG描画を特徴としています。 リアルタイムレイトレーシングや最新のライティング技術によって、太陽光、ヘッドライト、駅の照明、街灯などで作り出す陰影表現が非常に豊かです。
鉄道ゲームというより、「高品質な鉄道映像作品の中を自分で運転できる」という感覚に近いものがあります。
Unreal Engineは、FINAL FTANTASY VII REMAKEのような超大手ゲームも利用しています(→AUTOMATIONの記事)。 鉄道ゲームでも、『電車でGO!!』が一世代前のUnreal Engine 4を使っていましたが、新規開発は中止になってしまいました。
我らがI.MAGICも、Unreal Engineを引っ提げた「鉄バース」プロジェクトにVRMのポリゴンモデルを投入していましたね(→I.MAGIC Blog)。「鉄バース」自体は音沙汰がなくなってしまいましたが。
ゲームエンジンに負けないモデリング
どれだけゲームエンジンが優秀でも、肝心のモデルが粗ければ台無しです。 しかし本作では、車両やストラクチャのモデルもゲームエンジンに押し負けないくらい高精細に作り込まれています。 レールや架線柱などの鉄道固有のアイテムは『電車でGO!!』よりもリアル、というか忠実です。
草木の表現もリアルです。近年のゲームでは当たり前になりつつある技術ですが、鉄道ゲームでここまで自然な植生表現を見せられると新鮮ですね。
物理エンジン
これは普通に運転しているだけでは気づきにくいかもしれません。 車両の足回りを外部視点でアップにして観察すると、なんと台車のバネが伸び縮みしながら走っています。 最初に見たときは思わず「そこまでやるの?」と声が出ました。
運転台視点の車体動揺ともどうやらリンクしているし・・・これは一体どういう物理シミュレーションなんだ?
ちょっと面白いのは、その物理シミュレーションの副作用と思われる現象です。
初期バージョンではマップ上の一部でレールの位置がわずかにずれて接続されており、そこへ進入すると車両が脱線して吹っ飛んでいく現象があったそうです。
VRMNXならさしあたり、ガタガタしながらも何事もなかったかのように通過してしまいそうなものですが、逆に物理演算への本気度を感じてしまいます。
なお、この問題は現在では修正されている模様です。
RUNNING TRAIN!のゲーム性
ゲーム性としては基本的に「走って」「止める」です。 その意味では『電車でGO!』などと大きく変わるものではなく、良くも悪くも王道の鉄道運転ゲームと言えるでしょう。
しかし、1100型電車が直通空気ブレーキの操作になっていて結構玄人向き。これでブレーキをばっちり決められると、なんとも言えない気持ちよさがあります。
スコアに現れない渋味のあるゲーム性ってとこですね。
また、舞台が架空路線・架空車両であることについては賛否が分かれるかもしれません。 個人的には少し残念な気持ちもあります。
でも、仮に実在路線だったら「ここが違う」「あそこが足りない」と粗探しばかりしてしまいそうなので、これでよいのかも。
RUNNING TRAIN! の粗探し
そうはいっても見えてしまった粗がいくつか・・・
- 力行性能のシミュレーションが微妙
- 113系ベースなんだと思いますが、それにしては高速域の加速の伸びが良すぎる…
- 緩和曲線・カントがちょっと変?
- 緩和曲線がないか、Rが大きいただの円曲線がくっついてるだけのような所が多い気がしています。
- VRMNXで緩和曲線を再現していたりする私のビョーキかもしれませんが…
- 速度制限もちょっと変?
- カーブの速度制限がRにしては速いとか遅いとか、制限がありそうなところにない、みたいな所が…
と、書き並べましたが正直なところ、全体のCG描写のレベルが高いからこそ気付いてしまった部分がほとんどです。 粗というには重箱の隅にも程があります。
本来だったらこんな文句を挙げてはいけませんね(笑)
まとめ
いくつか細かいツッコミどころはあるものの、RUNNING TRAIN! の価値はそんなことでは損なわれません。 マップや車両の作り込み、ライティング、物理表現など、インディーズゲームの早期アクセス版としては非常に意欲的な内容になっています。 今後のMOD対応の拡充にも期待が高まります。将来の他社作品への影響も大きいのではないでしょうか。
一方で、『電車でGO!!』が一区切りをつけてしまったことに象徴されるように、Unreal EngineのCGのレベルに求められる、モデル制作、マップ制作、etc. が開発者自身やMOD作者の手に負えるかどうか、持続可能となるかどうかには、一抹の不安も覚えるところです。
まあとにかく、RUNNING TRAINは早期アクセス版価格で¥2,980なんですから、四の五の言わずに試しに遊んでみてください。











